膝より下の体温は、心臓のまわりに比べて低くなっているために、膝下は非常に冷えやすい部分と言われています。
実際に人体の表面温度を測ってみると、特に「ひざのお皿」と言われている膝蓋骨は、その周辺の表面温度と比べて2~3度低くなっているそうです。
寒くなると「ひざが痛い」と言う人が多いようですが、これは体の中でも冷えやすい「ひざ」部分の血行が悪くなり、新陳代謝が鈍くなるために、痛みのもとが排出されずにたまってしまうことから起こっているんですね。
ですから、体を「冷やさない」ことは、膝を守るための大事な条件なのです。日ごろから体や膝を冷やさない工夫をしなければなりません。
温めると、血行が促進され、関節の動きが良くなり、筋肉や腱もほぐれていきます。そうすると、膝の痛みが和らぎます。
慢性的にひざの痛い人は、ふだんから体や膝を冷やさない工夫が必要です。寒い冬場はもちろん、夏の冷房にも気をつけたいものです。
あたためる方法としては、入浴が一番よい方法です。オフィスや外出先、家庭内では、膝掛けやレッグウォーマー、ひざサポーター、市販のホットパックなどを用意しておくといいでしょう。
また、膝だけでなく、体全体を冷やさないように意識することも大事です。
薄着になっていないか、体を冷やす食事に偏っていないか、適度な運動をしているか、夜寝るときはあたたかくしているか・・・。日常生活の中を振り返り、体を冷やさない工夫をしてみましょう。
食材によっては、体を冷やしたり、体を温めたりします。トマト、キュウリは体を冷やす食材として有名です。他にもナス、大根、セロリ、白菜、タケノコ、スイカ、梨、イチゴなどは、体を冷やします。体を温めてくれる食材としては、野菜の中ではニンジン、ニラ、かぼちゃ、にんにくなどです。肉類では牛、鶏、羊。魚類ではイワシ、サンマ、鮭などが、体を温めてくれる食材です。
また、適度な運動は、体の筋肉が動き、血液の流れをよくします。軽い散歩や筋肉トレーニングなどを、少しずつでも毎日できるように心がけることが、冷えない体をつくるためには大事になります。
睡眠時には体温が下がるため、夜寝るときにはしっかりと暖かくできる環境を作りましょう。
お風呂でゆっくり体を温めると、筋肉の緊張がほぐれて、全身の血行が良くなります。すると、ひざにたまっていた炎症を強める化学物質が流れていくために、痛みが和らいでいきます。でも、ただお湯につかっていればいいということではありません。脚や膝の痛みを取り除くための入浴法は、「ぬるめのお湯にゆっくりつかる」ことが一番です。
足の痛みを解消するための適温は、普通のお風呂のお湯の温度よりも2~3度低めの方がいいと言われています。熱いお湯は、血管を収縮させて筋肉を緊張させてしまうからです。ややぬるめのお湯に、長めにつかって、筋肉や血管を緩和させるようにしましょう。それが、ひざの痛みには効果的です。
また、お風呂の効果をさらに高めるためには、「交代浴」という入浴法がおすすめです。
まず、ぬるめのお湯に5~10分ほど入って体を温め、次に15~20度くらいの水を膝にかけます。その後再び、お湯に3~4分つかって、また水をかける・・・という行為を5~7回くらい繰り返す方法です。
血管の拡張と収縮を繰り返すことで、血行を良くし、痛みを緩和させる効果が高まるようです。
膝の痛みを緩和するためには、ちょっと贅沢ですが「温泉療法」という手もありますね。温泉の泉質によって効能が異なりますので、ひざ痛に良いといわれる泉質の温泉を狙って出かけたいものです。膝痛に効果的とされる泉質とはどんなものか、調べてみました。
・単純泉
無味無臭、無色透明で肌にやわらかいのが特徴。中風、神経痛、骨折や外傷の療養、病後回復、疲労回復、ストレス解消、健康増進などに有効とされています。
・食塩泉
塩化ナトリウムを有効成分とする温泉。保温力が高く、よく温まります。血液の循環を促進させ、痛みをやわらげる鎮静効果があるそうです。他に、切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病に効果があると言われています。
・硫黄泉
卵の腐ったような匂いがする温泉。血管を拡張させ、皮膚を軟化させて、体がよく温まります。ただし、刺激が強いので、皮膚が弱い人には不向きかも。慢性皮膚病、慢性婦人病、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症、痛風、便秘、筋・関節痛、痔などに効果あるそうです。
・明ばん泉
火山活動の盛んな所に湧き出ます。硫酸アルミニウムを有効成分とし、造血作用があるそうです。慢性皮膚疾患、粘膜の炎症、水虫、じんましん、慢性婦人疾患、月経障害、関節痛、糖尿病によいと言われています。
・炭酸泉
炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだお湯。炭酸ガスが皮膚を刺激し、毛細血管が拡張されるために、血行促進の効果が大きいと言われています。心臓病、高血圧、リュウマチ、冷え性などによいとされています。
・硫酸塩泉
傷の回復に効果があります。動脈硬化、高血圧、外傷、慢性関節炎などに良いとされています。
・鉄泉
鉄イオンを多く含み、空気に触れると酸化して褐色の沈澱を生じます。関節痛、リウマチ、慢性皮膚病、更年期障害などに効果があるとされています。
温泉療法は、最低でも10日~2週間くらいの期間行うものだそうですが、一泊二日の温泉旅行でも、こうした泉質の温泉を選べば、よりひざにも良さそうです。ぜひお試しくださいね。
ただし、全身が温まると、相当の体力を必要とします。血圧も変動します。注意して入浴を楽しみましょう。