普段の生活での注意点
膝にやさしい日常動作は「正しい姿勢」で歩く・座る・立ち上がる
私たちの日常生活の中では、「歩く、座る、立ち上がる」ときに、膝に大きな負担がかかっています。膝にやさしい動作とはどのようなものかを知り、普段から実践すると、自分のひざを守ることにつながります。
<歩き方>
- 姿勢が前かがみになっている人や後ろに反りかえっている人は、膝に負担がかかりやすくなります。背筋を正し、良い姿勢で歩くことが、膝に負担をかけない歩き方です。正しい姿勢とは、あごを引き、背筋を伸ばし、おなかとおしりを引き締め、両足の親指に体重がかかる状態です。歩くときは、背筋を伸ばすように意識をして、おなかをひっこめ、少し広めの歩幅で歩くと、負担がかかりにくくなるようです。ひざが痛い人は、痛む側の足が持ち上がりにくく、地面にひっかかりやすい傾向があります。転倒などは危険ですので、ゆっくりと確実に足を持ち上げて歩くように気をつけましょう。
- O脚の人は膝が内側を向いているために、膝にかかる負担が大きくなっています。足の親指に力を入れて歩くように意識をしましょう。また、X脚の人は、足の小指側に力を入れて歩くように意識をしましょう。そうすることで、負担がかかりにくくなります。
<階段の上り下り>
- 階段の上り下りをするとき、痛みがある場合は、一段一段足をそろえるようにして上り下りをすると、膝に負担がかかりにくくなります。上るときは痛みのない足から、下るときは痛みのある足から、踏みだすようにしましょう。
<座り方・立ち上がり方>
- 痛みが強いときは、なるべく椅子に座りましょう。膝への負担が少なくて済みます。
- 足を組んで座らないようにします。足を組むと、自然に上半身が傾いてしまい、それにより体のバランスを崩していきます。そうすると、姿勢の悪さから、膝に負担がかかることがあります。
- 床や畳に座るときは、急に座ると膝に負担がかかるので、ゆっくり腰をおろすようにします。また、床や畳に座る場合は、正座やあぐらがおすすめです。一般的に、ひざが悪い人は正座を避けた方がいいといわれています。深く膝を曲げるために、痛むことが多いからです。しかし、あまりにも動かさないでいると、かえって膝関節がこわばってしまい、動きが悪くなることもあるという見方もあります。長時間の正座ではなく、短時間の正座はストレッチ代わりになるために、正座をすすめるお医者さまもいるようです。自分の状態と相談しながら、また主治医と相談しながら、正座を取り入れてみてもいいと思います。
- 正座をしなければならない状況のとき、「正座用椅子」を使用すると、ひざを曲げる角度を小さくすることができます。それにより、痛みや負担を軽減できます。
- 立ち上がるときには、ゆっくり立ち上がりましょう。膝の負担が少なくて済みます。
<その他の日常生活での注意点>
- 住環境を見直す。
畳に座るよりも、椅子に座る。布団よりも、ベッドに休む。ライフスタイルを和式より洋式にすると、膝への負担を軽減できます。
- ひざや脚を冷やさない。
慢性的な膝の痛みは、あたためると痛みが和らぎます。サポーターや靴下などで、脚や膝を冷やさないようにしましょう。
- 荷物を持つとき、片方の手だけで持つと重心が偏り、片側の膝に負担がかかります。両手で荷物を持ったり、ときどき持ちかえるように、意識をしましょう。 荷物が多いときは、キャリーやリュックサックを使うと便利です。
靴の選び方
膝に負担をかけないためにも、自分の足に合った歩きやすい靴を選ぶことが大事です。足に加わる衝撃を吸収する機能が十分にあるか、足を保護する構造になっているか・・・。ひざを痛めないための靴選びにはいくつかのチェックポイントがあります。できるだけ自分に合った靴を選んで、膝を痛めない歩行を心がけましょう。
<自分に合った靴選び>
- ゆるすぎず、きつすぎず、「自分の足に合ったサイズ」であることが大事。足の指が靴の中で、ある程度動くものがいいでしょう。
- かかと全体をきちんと支え、安定感があるものがおすすめです。ショックの吸収性に富んでいるものがいいでしょう。
- 靴底には、ある程度の厚みと弾力性があるものがいい。足に加わる衝撃を吸収する機能が十分にあるものがおすすめ。かつ、靴が重すぎないことも大事です。
- 足の甲まで覆うようなデザインの靴を。靴の縁が、くるぶしやアキレス腱に当たらないものがいいでしょう。
気をつけたい食生活
足は全体重を支えるために、太っていると膝への負担は大きくなります。歩くとき、膝には体重の2~7倍の負荷がかかり、階段の上り下りでは、膝に体重の6~7倍の負荷がかかっているそうです。かなりの負担が膝にかかってくるわけですから、太り気味の人は体重を減らすことで、負担を軽減することができます。実際、ダイエットをして体重を減らしたら、膝痛が出なくなったという人は多いようです。体重が1キロ減ると、歩くときに膝にかかる負荷は2~3キロも軽くなるわけですから、常に肥満対策をして、体重には気を付けていなければいけません。
ただし、痩せるために食事を極端に減らしてしまうと、逆に体を悪くしてしまいます。ひざを衝撃から守るために必要な栄養分や、骨を作りあげるための栄養分は、すべて食事から得ているわけです。栄養のバランスを考えて、適正カロリーを摂取する必要があります。
<膝に必要な成分と食品>
膝痛に良いといわれている成分を含んだ食品を紹介します。
- グルコサミン
えび、かに、鶏手羽先、ナガイモ
- コンドロイチン
サメ軟骨、なめこ、オクラ、納豆、ふかひれ
- コラーゲン
フカヒレ、シャケ、ウナギ、スッポン、アンコウ、カレイ、なまこ、サザエ、豚足、豚耳、煮こごり、牛すじ、テール、トリの皮・手羽先
- ヒアルロン酸
豚足・海藻のぬめり部分・フカのヒレ・サメの軟骨・魚の目玉
- カルシウム
小魚、干しエビ、牛乳、乳製品、海藻類、ひじき、切干大根、ゴマ、緑黄色野菜